
目次
【結論】ザイゴマインプラントとは — この記事の要点
ザイゴマインプラント(Zygomatic Implant)とは、上顎の骨が極度に吸収・萎縮してしまった方のために、頬骨(zygomatic bone=ザイゴマ)にインプラントを埋入する特殊な治療法です。通常のインプラント治療やAll-on-4で「骨が足りない」と診断された方でも、骨造成手術なしで固定式の歯を取り戻せる可能性があります。
ザイゴマインプラントは1988年にスウェーデンのPer-Ingvar Brånemark博士によって開発されました。その後、スペインのCarlos Aparicio博士がZAGA法(Zygomatic Anatomy-Guided Approach)を確立し、より安全で予知性の高い術式へと進化しています。
当院「ORCインプラントクリニック大磯」は、日本初のZAGA CENTER認定施設です。庄子裕子院長はZAGA認定医として1,000症例以上のザイゴマインプラント治療実績を持ち、他院で「治療不可能」と診断された難症例にも対応しています。この記事では、ザイゴマインプラントの仕組み、All-on-4との違い、ZAGA CENTERの意義、治療に適した状態について詳しく解説します。
ザイゴマインプラントの特徴
通常のインプラント
- —上顎骨に埋入
- —十分な骨量が必要
- —長さ:8〜15mm程度
ザイゴマインプラント
- —頬骨(ザイゴマ)に埋入
- —骨量不足でも対応可能
- —長さ:30〜50mm程度
ザイゴマインプラントの仕組み — なぜ頬骨に埋入するのか
通常のインプラント治療では、歯が失われた部分の顎骨(上顎骨または下顎骨)にチタン製のインプラント体を埋入します。しかし、歯を失ってから長期間が経過した方、重度の歯周病で骨が大きく吸収された方、総入れ歯を長年使用してきた方などでは、上顎骨が極度に薄くなっていることがあります。
上顎骨が薄くなる主な原因は「骨吸収」です。歯を失うと、その部分の顎骨は噛む力による刺激を受けなくなり、徐々に吸収(萎縮)していきます。特に上顎は下顎に比べて骨質が柔らかく(海綿骨が多い)、吸収の進行が速い傾向があります。さらに、上顎には上顎洞(副鼻腔の一つ)という空洞があり、骨吸収が進むと上顎洞が拡大し、インプラントを埋入するための骨の厚みがさらに減少します。
このような状態では、通常のインプラント治療はもちろん、All-on-4でも十分な骨量を確保できないことがあります。従来は、サイナスリフト(上顎洞底挙上術)やGBR法(骨誘導再生法)などの骨造成手術を行い、数ヶ月〜1年以上かけて骨を増やしてからインプラントを埋入する方法が取られていました。しかし、骨造成手術は患者様の身体的負担が大きく、治療期間も長期化するという課題がありました。
ザイゴマインプラントは、この課題を解決する画期的な治療法です。上顎骨ではなく、その上方に位置する頬骨(zygomatic bone)にインプラントを埋入します。頬骨は非常に硬く緻密な骨質(皮質骨)を持ち、加齢や歯の喪失による骨吸収の影響をほとんど受けません。そのため、上顎骨がどれほど薄くなっていても、頬骨さえ健全であればインプラントを安定して固定することができるのです。
ザイゴマインプラントは通常のインプラント(長さ8〜16mm程度)よりもはるかに長く、30〜55mm程度の長さがあります。上顎骨を貫通して頬骨に到達し、頬骨の硬い骨質にしっかりと固定されます。この長いインプラントが、強固な初期固定力を生み出し、手術当日の仮歯装着(即時荷重)を可能にしています。

ORCインプラントクリニック大磯 庄子裕子院長 — ZAGA認定医として1,000症例以上の実績

All-on-4との違い — それぞれの適応と使い分け
ザイゴマインプラントとAll-on-4は、どちらも「少ない本数のインプラントで全歯を支える」という点では共通していますが、適応となる患者様の状態や治療のアプローチが異なります。
All-on-4の特徴
- All-on-4は、片顎4本のインプラントで10〜12本の人工歯を支える治療法です。前方の2本は垂直に、後方の2本は最大45度の角度をつけて斜めに埋入することで、骨量が比較的多い前方部の骨を最大限に活用します。中等度の骨吸収であれば、骨造成なしで治療が可能です。
ザイゴマインプラントの特徴
- ザイゴマインプラントは、上顎骨の骨量がAll-on-4でも対応できないほど減少している場合に適応されます。頬骨に長いインプラントを埋入するため、上顎骨の状態に左右されません。All-on-4と組み合わせて使用されることが多く、前方にAll-on-4のインプラント2本、後方にザイゴマインプラント2本という「ザイゴマ+All-on-4」のコンビネーションが代表的です。
| 比較項目 | All-on-4 | ザイゴマインプラント |
|---|---|---|
| 埋入部位 | 上顎骨(歯槽骨) | 頬骨 |
| インプラント長 | 8〜18mm | 30〜55mm |
| 適応 | 中等度の骨吸収 | 重度の骨吸収 |
| 骨造成の必要性 | 通常不要 | 不要 |
| 手術の難易度 | 高い | 非常に高い |
| 即時荷重 | 可能 | 可能 |
| 対応可能な医師 | 限られる | さらに限られる |
※費用は医療機関により異なります。上記は一般的な目安です。
どちらを選ぶべきか
- 治療法の選択は、CT検査による精密な骨量評価に基づいて行います。上顎骨に十分な骨量が残っている場合はAll-on-4が第一選択となります。骨量が不足している場合は、骨造成手術を行ってからAll-on-4を行う方法と、ザイゴマインプラントを使用する方法の2つの選択肢があります。
ザイゴマインプラントの最大のメリットは、骨造成手術が不要なため、治療期間を大幅に短縮できることです。骨造成手術を行う場合は、骨が十分に形成されるまで6ヶ月〜1年以上待つ必要がありますが、ザイゴマインプラントなら手術当日に仮歯を装着できます。
一方、ザイゴマインプラントは非常に高度な技術を要する手術であり、対応できる歯科医師は世界的にも限られています。術者の経験と技術が治療結果を大きく左右するため、十分な実績を持つ専門医のもとで治療を受けることが極めて重要です。
— POINT
ZAGA CENTERとは — 世界基準の安全性と技術力の証… … 次のセクションで詳しく解説します。
ZAGA CENTERとは — 世界基準の安全性と技術力の証
ZAGA CENTER(ザガセンター)とは、スペイン・バルセロナのCarlos Aparicio博士が主宰する、ザイゴマインプラント治療の国際的な認定ネットワークです。ZAGA法(Zygomatic Anatomy-Guided Approach=頬骨解剖学的ガイドアプローチ)に基づく高度な治療を提供できる施設として、世界各国の厳選された医療機関のみが認定を受けています。
ZAGA法とは
- 従来のザイゴマインプラント術式(Brånemark法)では、インプラントを上顎洞の内側を通して頬骨に到達させていました。この方法は上顎洞粘膜を貫通するため、上顎洞炎(副鼻腔炎)のリスクがありました。
ZAGA法は、患者様一人ひとりの頬骨の解剖学的形態をCTで詳細に分析し、最適な埋入経路を個別に設計するアプローチです。頬骨の形態は個人差が大きく、ZAGA法では以下の4つの経路(ZAGA分類)から最適なものを選択します。
可能な限りZAGA 0やZAGA 1の経路を選択することで、上顎洞への影響を最小限に抑え、合併症リスクを大幅に低減します。これが、従来のBrånemark法と比較したZAGA法の最大の利点です。
ZAGA CENTER認定の意義
- ZAGA CENTERの認定を受けるためには、以下の厳格な基準を満たす必要があります。
- ザイゴマインプラントの豊富な臨床経験
- ZAGA法の理論と技術に関する高度なトレーニングの修了
- 最新の設備(歯科用CT、手術用ナビゲーションシステムなど)の保有
- 継続的な症例報告と学術活動への参加
- 定期的な技術審査と品質管理
世界に約50施設しかないZAGA CENTERの認定は、その施設がザイゴマインプラント治療において世界最高水準の技術と安全性を提供できることの証です。
当院のZAGA CENTER認定
- 当院「ORCインプラントクリニック大磯」は、日本で初めてZAGA CENTERの認定を受けた施設です。日本国内のZAGA認定医は現在わずか4名であり、その希少性は、この治療がいかに高度な専門性を要するかを物語っています。
庄子裕子院長は、Carlos Aparicio博士のもとで直接トレーニングを受け、ZAGA法の理論と技術を習得しました。定期的にバルセロナのZAGA本部との症例カンファレンスに参加し、最新の知見を治療に反映しています。

ORCインプラントクリニック大磯のハイブリッドオペ室 — ZAGA法による精密なザイゴマインプラント手術を実施
ザイゴマインプラントに適した状態 — こんな方はご相談ください
ザイゴマインプラントは、すべての患者様に適応される治療法ではありません。主に以下のような状態の方が対象となります。
ザイゴマインプラントが適応となる主なケース
- 上顎の骨が極度に吸収し、通常のインプラントやAll-on-4が困難と診断された方
- 他院で「骨が足りないのでインプラントはできない」と言われた方
- 骨造成手術(サイナスリフト、GBR法など)を避けたい方、または骨造成手術が失敗した方
- 総入れ歯を長年使用し、上顎骨が大きく萎縮している方
- 重度の歯周病で上顎の歯をすべて失い、骨吸収が進行している方
- 上顎洞が大きく拡大し、インプラント埋入のための骨の厚みがほとんどない方
- できるだけ短期間で固定式の歯を取り戻したい方(骨造成の待機期間を避けたい方)
ザイゴマインプラントが適応とならないケース
- 上顎骨に十分な骨量が残っている方(通常のインプラントやAll-on-4で対応可能)
- 頬骨に重大な疾患や損傷がある方
- 全身状態が手術に耐えられない方(重度の心疾患、コントロール不良の糖尿病など)
- 喫煙を続ける意思がある方(喫煙はインプラントの成功率を著しく低下させます)
治療前の精密検査
- ザイゴマインプラントの適応を判断するためには、歯科用CTによる精密な画像診断が不可欠です。CTデータをもとに、頬骨の形態、骨質、上顎洞の状態、神経や血管の走行などを詳細に分析し、ZAGA分類に基づいて最適な埋入経路を設計します。
当院では、初回カウンセリング時にCT撮影を行い、その場で画像をお見せしながら、治療の可否と治療計画をご説明しています。他院で「治療不可能」と診断された方も、まずはお気軽にご相談ください。ザイゴマインプラントという選択肢により、治療が可能になるケースは少なくありません。
リスクと合併症
- ザイゴマインプラントは高度な手術であり、以下のリスク・合併症の可能性があります。
- 上顎洞炎(副鼻腔炎):ZAGA法により大幅にリスクは低減されていますが、完全にゼロではありません。
- 頬部の腫れ・痺れ:術後一時的に頬が腫れたり、感覚が鈍くなることがあります。通常は数週間で改善します。
- インプラント周囲炎:メンテナンスが不十分な場合、インプラント周囲の組織に炎症が起こることがあります。
- インプラントの脱落:極めて稀ですが、骨との結合が得られない場合があります。
これらのリスクを最小限に抑えるためには、十分な経験を持つ専門医のもとで治療を受けること、そして治療後の定期的なメンテナンスを継続することが重要です。

ザイゴマインプラントの費用 — 片顎の目安と内訳
ザイゴマインプラントの治療費は、通常のAll-on-4の費用にザイゴマインプラントの追加費用が加算される形になります。当院での費用の目安は以下の通りです。
| 項目 | 費用(税込) |
|---|---|
| All-on-4基本治療費(片顎) | 2,200,000円〜 |
| ザイゴマインプラント追加(1本あたり) | 440,000円 |
| ザイゴマ2本使用の場合(片顎総額) | 3,058,000円〜 |
| ザイゴマ4本使用の場合(片顎総額) | 3,938,000円〜 |
| 最終補綴(ジルコニア) | 1,100,000円〜 |
※費用は医療機関により異なります。上記は一般的な目安です。
基本治療費には、初診カウンセリング、CT撮影、手術費用、インプラント体・アバットメント、静脈内鎮静法、仮歯装着までが含まれています。
なお、ザイゴマインプラントの費用は、骨造成手術(サイナスリフトやGBR法)を行ってからインプラントを埋入する方法と比較すると、必ずしも高額とは限りません。骨造成手術には一回あたり200,000〜500,000円程度の費用がかかり、複数回必要になることもあります。さらに、骨造成の待機期間中の通院費や、成功しなかった場合の再手術費用も考慮すると、ザイゴマインプラントの方が総額では経済的なケースもあります。
— POINT
ザイゴマインプラントの治療の流れ — 初診から最終補綴まで… … 次のセクションで詳しく解説します。
ザイゴマインプラントの治療の流れ — 初診から最終補綴まで
ザイゴマインプラントの治療は、精密な診断と計画に基づいて段階的に進められます。ここでは、初診カウンセリングから最終補綴の装着まで、治療の全プロセスを解説します。
ステップ1:初診カウンセリングと精密検査
- 初回カウンセリングでは、現在のお悩み、治療歴、全身の健康状態などを詳しくお伺いします。その後、歯科用CTによる3D画像撮影を行い、上顎骨と頬骨の状態を詳細に分析します。CTデータをもとに、ZAGA分類(頬骨の形態による埋入経路の分類)を行い、最適な術式を決定します。検査結果はその場で画像をお見せしながらご説明します。
ステップ2:治療計画の立案
- CTデータを専用ソフトウェアに取り込み、コンピュータ上でザイゴマインプラントの埋入位置・角度・深さを3Dシミュレーションします。同時に、手術当日に装着する仮歯の設計も行います。ザイゴマインプラントの本数(通常2〜4本)と、前方部のAll-on-4インプラントの配置を決定します。
ステップ3:手術当日
- 静脈内鎮静法と局所麻酔の併用のもと、手術を行います。歯科麻酔科医が全身状態を常時モニタリングし、術者は手術に専念します。手術時間は片顎で約2〜4時間です。当院のハイブリッドオペ室では、術中にCT撮影を行い、インプラントの埋入位置をリアルタイムで確認できます。手術後、固定式の仮歯を装着します。
ステップ4:仮歯期間(3〜6ヶ月)
- インプラントと骨がしっかりと結合する(オッセオインテグレーション)のを待つ期間です。ザイゴマインプラントは頬骨の硬い皮質骨に固定されるため、初期固定力が非常に高く、骨結合の予後も良好です。この間、月1回程度の経過観察のために通院していただきます。
ステップ5:最終補綴の作製・装着
- 骨結合が確認できたら、最終的な型取りを行い、最終補綴物を作製します。素材はジルコニア、チタンフレーム+セラミックなどから、ご予算とご希望に応じて選択いただけます。最終補綴の装着後、噛み合わせの微調整を行い、治療完了となります。
| 治療の流れ | 所要期間 | 内容 |
|---|---|---|
| 初診カウンセリング | 1日 | CT撮影・ZAGA分類・治療計画説明 |
| 治療計画立案 | 1〜2週間 | 3Dシミュレーション・仮歯設計 |
| 手術当日 | 1日 | ザイゴマ+All-on-4埋入+仮歯装着 |
| 仮歯期間 | 3〜6ヶ月 | 骨結合を待つ・月1回通院 |
| 最終補綴装着 | 2〜3週間 | 型取り・作製・装着・調整 |
| メンテナンス | 継続 | 年2〜4回の定期検診 |
※費用は医療機関により異なります。上記は一般的な目安です。
当院のザイゴマインプラント治療実績 — 日本初のZAGA CENTERとして
当院「ORCインプラントクリニック大磯」は、日本で初めてZAGA CENTERの認定を受けた施設です。ZAGA CENTERは世界に約50施設しかなく、その認定はザイゴマインプラント治療において世界最高水準の技術と安全性を提供できることの証です。
庄子裕子院長の実績
- 庄子裕子院長は、インプラント治療の臨床経験30,000本以上という国内トップクラスの実績を持ちます。その中でもザイゴマインプラントの症例数は1,000件以上に上り、日本国内で最も豊富な経験を持つ術者の一人です。
スペイン・バルセロナのZAGA本部でCarlos Aparicio博士のもとで直接トレーニングを受け、ZAGA法の理論と技術を習得しました。定期的にバルセロナのZAGA本部との症例カンファレンスに参加し、最新の知見を治療に反映しています。また、国内外の学会での発表や論文執筆を通じて、ザイゴマインプラント治療の発展に貢献しています。
当院の設備
- ザイゴマインプラント手術は、通常のインプラント手術よりもさらに高度な設備を必要とします。当院のハイブリッドオペ室は、手術室内にCT撮影装置を完備した国内でも数少ない高度な手術環境です。ザイゴマインプラントのような長いインプラントを頬骨に埋入する際には、術中のCT確認が安全性を大きく高めます。
また、歯科麻酔科医が常駐し、静脈内鎮静法の管理を専門的に行います。ザイゴマインプラント手術は通常のインプラント手術よりも時間がかかるため、麻酔科医による全身管理が不可欠です。さらに、術後の回復を促進する高気圧酸素治療装置も完備しており、痛みや腫れの軽減に効果が期待できます。
他院で断られた方へ
- 「骨が足りないのでインプラントはできない」と診断された方、骨造成手術が失敗した方、何度もインプラント治療を試みたがうまくいかなかった方 — そのような難症例こそ、当院が最も得意とする領域です。ザイゴマインプラントという選択肢により、治療が可能になるケースは少なくありません。まずはお気軽にカウンセリングにお越しください。

ザイゴマインプラント治療を受ける前に知っておくべきこと
ザイゴマインプラントは高度な治療法であり、治療を検討される際にはいくつかの重要なポイントを理解しておくことが大切です。
治療を受けられる施設の選び方
- ザイゴマインプラントは、通常のインプラント治療とは異なる高度な技術と設備が必要です。治療施設を選ぶ際には、以下の点を確認することをお勧めします。
- 術者の経験と実績:ザイゴマインプラントの手術経験が豊富な歯科医師が在籍しているか。ZAGA法のトレーニングを受けているか。
- 設備:術中CT撮影が可能なハイブリッドオペ室があるか。全身管理のための生体モニターが完備されているか。
- 麻酔体制:歯科麻酔科医が常駐し、静脈内鎮静法を安全に管理できる体制があるか。
- ZAGA CENTER認定:ZAGA CENTERとして認定されている施設は、ザイゴマインプラント治療において国際的に認められた基準を満たしています。
当院「ORCインプラントクリニック大磯」は、日本初のZAGA CENTER認定施設です。院長の松尾は、ZAGA法の開発者であるCarlos Aparicio博士から直接指導を受けており、豊富な治療実績を有しています。
治療のリスクと合併症
- ザイゴマインプラントは安全性の高い治療法ですが、すべての医療行為と同様にリスクがゼロではありません。主なリスクと合併症には以下のものがあります。
- 上顎洞炎(副鼻腔炎):ザイゴマインプラントは上顎洞を通過して頬骨に到達するため、上顎洞に炎症が起こる可能性があります。ZAGA法では、患者様の骨の形態に合わせて最適な埋入経路を選択するため、従来法と比較して上顎洞炎のリスクが大幅に低減されています。
- 頬部の腫れ・しびれ:手術後に頬が腫れたり、一時的にしびれを感じたりすることがあります。通常は数日〜数週間で改善します。
- インプラントの脱落:まれにインプラントが骨と結合しない場合があります。この場合は、再手術を検討します。
これらのリスクは、経験豊富な術者による適切な診断と手術計画により、最小限に抑えることができます。当院では、術前のCT検査による精密な診断と、3Dシミュレーションによる手術計画の立案を行い、リスクの低減に努めています。
セカンドオピニオンの重要性
- 他院で「骨がないからインプラントはできない」と言われた方は、ぜひセカンドオピニオンをお求めください。通常のインプラント治療が困難な場合でも、ザイゴマインプラントにより治療が可能なケースは少なくありません。当院では、他院からの紹介やセカンドオピニオンを積極的に受け付けています。CT画像をお持ちいただければ、より迅速な診断が可能です。
— POINT
関連ページのご案内… … 次のセクションで詳しく解説します。
関連ページのご案内
ザイゴマインプラントについて、さらに詳しい情報をお探しの方は、以下の関連ページもぜひご参照ください。当院は日本初のZAGA CENTER認定施設として、他院で断られた難症例にも積極的に対応しています。
よくある質問
Qザイゴマインプラントの手術は痛いですか?
手術は静脈内鎮静法(点滴によるリラックス麻酔)と局所麻酔を併用して行いますので、手術中に痛みを感じることはほとんどありません。うとうとした状態で手術を受けていただけます。術後は通常のインプラント手術よりも腫れや痛みが出やすい傾向がありますが、処方する痛み止めと抗生物質でコントロール可能です。当院では高気圧酸素治療装置も完備しており、術後の回復を促進するサポートも行っています。
Qザイゴマインプラントの費用はいくらですか?
当院では、ザイゴマインプラントの追加費用は1本あたり440,000円(税込)です。通常、All-on-4と組み合わせて使用するため、基本のAll-on-4費用(片顎2,200,000円〜・税込)にザイゴマインプラントの追加費用が加算されます。使用するザイゴマインプラントの本数は、患者様の骨の状態によって異なります(通常2〜4本)。正確な費用は、CT検査による精密診断の後にお見積もりいたします。
Q他院で「骨がないからインプラントはできない」と言われました。本当にザイゴマインプラントで治療できますか?
多くの場合、ザイゴマインプラントにより治療が可能です。通常のインプラント治療やAll-on-4は上顎骨の骨量に依存しますが、ザイゴマインプラントは頬骨に埋入するため、上顎骨の状態に左右されません。頬骨は加齢による骨吸収の影響をほとんど受けないため、上顎骨が極度に薄くなっている方でも安定した固定が得られます。ただし、全身状態や頬骨の状態によっては適応とならない場合もありますので、まずはCT検査による精密診断をお受けください。
Qザイゴマインプラントの成功率はどのくらいですか?
ザイゴマインプラントの10年生存率は95〜97%と報告されており、通常のインプラントと同等の高い成功率を示しています。特にZAGA法による治療では、従来法と比較して合併症(特に上顎洞炎)の発生率が大幅に低減されています。ただし、長期的な成功のためには、治療後の定期的なメンテナンスが不可欠です。当院では、治療後も継続的なフォローアップ体制を整えています。
Qザイゴマインプラントの手術時間はどのくらいですか?入院は必要ですか?
ザイゴマインプラントの手術時間は、片顎で約2〜4時間です。ザイゴマインプラントの本数や患者様の状態によって前後します。手術は静脈内鎮静法(点滴によるリラックス麻酔)と局所麻酔を併用して行うため、うとうとした状態で受けていただけます。入院の必要はありません。手術当日に仮歯を装着し、その日のうちにご帰宅いただけます。ただし、手術当日はお車の運転はできませんので、付き添いの方の同伴やタクシーのご利用をお勧めします。術後は翌日に経過観察のためにご来院いただきます。
Qザイゴマインプラントは下顎にも使えますか?
ザイゴマインプラントは上顎専用の治療法です。頬骨(zygomatic bone)は上顎の上方に位置するため、下顎には適用できません。下顎の骨量が不足している場合は、別のアプローチ(骨造成手術、短いインプラントの使用、下歯槽神経を避けた配置など)で対応します。下顎は上顎に比べて骨質が硬く、骨吸収の進行が緩やかなため、多くの場合はAll-on-4で対応可能です。上下顎ともに治療が必要な場合は、上顎にザイゴマインプラント、下顎にAll-on-4という組み合わせで治療を行うことができます。詳しくはカウンセリングでご相談ください。
参考文献・出典
- [1]Aparicio C. A proposed classification for zygomatic implant patient based on the zygoma anatomy guided approach (ZAGA): a cross-sectional survey. Eur J Oral Implantol. 2011;4(3):269-275.
- [2]Brånemark PI, Gröndahl K, Ohrnell LO, et al. Zygoma fixture in the management of advanced atrophy of the maxilla: technique and long-term results. Scand J Plast Reconstr Surg Hand Surg. 2004;38(2):70-85.
- [3]Aparicio C, Manresa C, Francisco K, et al. Zygomatic implants: indications, techniques and outcomes, and the zygomatic success code. Periodontol 2000. 2014;66(1):41-58.
- [4]Chrcanovic BR, Albrektsson T, Wennerberg A. Survival and Complications of Zygomatic Implants: An Updated Systematic Review. J Oral Maxillofac Surg. 2016;74(10):1949-1964.
記事監修

東海林弘子(しょうじ ひろこ)
ORCインプラントクリニック大磯 院長
資格・所属学会
学歴
昭和医科大学歯学部卒業
※本記事は医療広告ガイドラインに準拠して作成しています。治癒を保証するものではなく、治療効果には個人差があります。
詳しくはカウンセリング時にご説明いたします。


