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【結論】骨が少なくてもインプラントを諦めないで!ザイゴマインプラントという選択肢
上顎の骨が少ないためにインプラント治療を諦めていませんか?ザイゴマインプラントは、頬骨(きょうこつ)にインプラントを固定することで、骨の量が不足している難症例にも対応できる可能性がある治療法です。骨を増やす大掛かりな手術を避けられる場合があり、治療期間の短縮や、手術当日に仮歯で噛めるようになれる可能性も。この記事では、ザイゴマインプラントで解決できるケースとできないケースについて、詳しく解説します。
骨量不足への対処法
上顎洞底を挙上して骨を造成
治療期間:6〜9ヶ月
メンブレンで骨の再生を促進
治療期間:4〜6ヶ月
頬骨に直接埋入
治療期間:即日〜数日
短いインプラントで対応
治療期間:3〜4ヶ月
ザイゴマインプラントとは?頬骨を利用する新しいインプラント治療
ザイゴマインプラントは、上顎の骨が痩せてしまい、通常のインプラント治療が困難な方のために開発された特殊な治療法です。その最大の特徴は、一般的なインプラントが顎の骨に埋め込まれるのに対し、ザイゴマインプラントは頬の骨(頬骨)まで達する長いインプラント体を使用する点にあります。頬骨は、歯を失っても吸収されにくい非常に硬く丈夫な骨です。このため、歯周病や長期間の入れ歯使用によって顎の骨が大幅に減少してしまった場合でも、強固な支えを得ることが期待できます。CTによる精密な画像診断と3Dシミュレーションを駆使し、頬骨や上顎洞(鼻の横にある空洞)といった重要な組織を避けながら、安全な位置にインプラントを的確に埋入します。これにより、従来は骨移植などの大掛かりな手術が必要だったケースでも、インプラント治療の可能性が広がります。

ザイゴマインプラントのメリットと注意点(リスク・副作用)
ザイゴマインプラントには、大きなメリットが期待できる一方で、注意すべき点も存在します。
メリット 最大の利点は、骨移植やサイナスリフトといった骨造成手術を回避できる可能性があることです。これにより、体への負担が軽減され、治療期間も大幅に短縮されることが期待できます。症例によっては、手術当日に仮歯を装着し、すぐに噛む機能を取り戻せる「即時荷重」も可能です。また、強固な頬骨に固定するため、長期的に安定した結果が得られるという報告も数多くあります。
注意点(リスク・副作用) ザイゴマインプラントは高度な外科手術であり、術後の腫れや痛み、内出血などが通常のインプラントより強く出ることがあります。また、インプラントが上顎洞(副鼻腔)を貫通するため、術後に副鼻腔炎を発症するリスクもゼロではありません。非常に稀ですが、頬骨周辺の神経や血管を損傷する可能性も伴います。これらのリスクを最小限に抑えるには、CTによる精密な診断と、経験豊富な医師による正確な手術が不可欠です。治療結果には個人差があることもご理解ください。
— POINT
あなたはどっち?ザイゴマインプラントが向いている人・向いていない人… … 次のセクションで詳しく解説します。
あなたはどっち?ザイゴマインプラントが向いている人・向いていない人
ザイゴマインプラントは、すべての方に適応できるわけではありません。ご自身の状態がどちらに当てはまるか、目安としてご確認ください。
向いている人(適応となる可能性があるケース) * 重度の歯周病や長期間の入れ歯使用により、上顎の骨が広範囲にわたって吸収されている方 * 骨粗鬆症や先天的な要因で骨量が不足している方 * GBR(骨再生誘導法)やサイナスリフトなどの骨造成手術を避けたい方 * なるべく早く歯を入れて、噛む機能を取り戻したい方
向いていない人(適応が難しいケース) * 急性副鼻腔炎など、上顎洞に重度の感染症がある方 * 重度の糖尿病や心疾患など、全身疾患のコントロールが不良な方 * 頭頸部への放射線治療の既往がある方 * ヘビースモーカーの方(傷の治癒やインプラントの定着に悪影響を及ぼすため)
適応の可否は、CT検査による骨量評価(Hounsfield単位による骨密度の測定など)や全身状態の確認を経て、総合的に判断されます。当院では、このような難症例にも対応できる体制を整えており、患者様一人ひとりに最適な治療計画をご提案する可能性があります。
治療の流れと期間、費用の目安
ザイゴマインプラント治療は、精密な計画のもと、段階的に進められます。
治療の流れ 1. カウンセリング・精密検査: まずは患者様のお悩みやご希望を伺い、CT撮影や口腔内診査で骨の状態、噛み合わせなどを詳細に評価します。 2. 治療計画の立案: 検査結果を基に、3Dシミュレーションソフトを用いてインプラントの最適な埋入位置や角度を決定し、詳細な治療計画を立案します。 3. 手術: 静脈内鎮静法や全身麻酔のもと、計画通りにザイゴマインプラントを埋入します。手術時間は症例により異なりますが、数時間を要することが一般的です。 4. 仮歯の装着: 多くのケースで、手術当日に固定式の仮歯を装着することが可能です。 5. 最終的な歯の装着: インプラントと骨が十分に結合した後(通常3〜4ヶ月後)、最終的な美しい歯(上部構造)を装着します。 6. メンテナンス: 長期的に安定した状態を維持するため、定期的なプロフェッショナルケアが非常に重要です。
治療期間と費用 治療期間は、仮歯の装着から最終的な歯の装着まで、およそ3ヶ月から6ヶ月が目安となります。費用は、治療の範囲や本数によって異なりますが、目安として片顎2,200,000円(税込)からとなります。ザイゴマインプラントを追加する場合は、1本あたり440,000円(税込)が別途必要になることがあります。これらはあくまで目安であり、個々の症例に応じて変動するため、詳細はカウンセリング時にご説明します。
よくある質問
Qザイゴマインプラントの手術は痛いですか?
手術は静脈内鎮静法や全身麻酔下で行うため、術中に痛みを感じることはほとんどありません。術後は、通常のインプラント手術よりも腫れや痛みが強く出ることがありますが、鎮痛剤でコントロールできる範囲がほとんどです。個人差はありますが、通常1〜2週間で落ち着きます。
Q治療期間はどのくらいかかりますか?
症例によりますが、手術でインプラントを埋入してから最終的な歯が入るまで、およそ3ヶ月から6ヶ月が目安です。多くのケースで手術当日に固定式の仮歯を装着できるため、食事や会話に大きな支障が出る期間は短いことが期待できます。
Q誰でもザイゴマインプラントを受けられますか?
上顎の骨が著しく不足している方が主な対象ですが、急性副鼻腔炎のある方や、全身疾患のコントロールができていない方などは適応外となる場合があります。CTでの精密検査や問診を通して、総合的に治療の可否を判断します。
Qザイゴマインプラントの失敗リスクはどのくらいありますか?
ザイゴマインプラントは高度な技術を要する治療法であり、失敗のリスクはゼロではありません。しかし、経験豊富な医師が精密な診断とシミュレーションのもとで手術を行えば、そのリスクは大幅に低減できます。当院のような実績豊富な施設を選ぶことが重要です。
Qザイゴマインプラントに保険は適用されますか?
ザイゴマインプラント治療は、一部の特殊な症例(腫瘍や事故による顎骨欠損など)を除き、基本的には健康保険が適用されない自由診療となります。費用については、治療計画のご説明の際に詳しくお伝えします。
Q治療後のメンテナンスはどのように行いますか?
ザイゴマインプラントを長持ちさせるためには、ご自宅での丁寧なブラッシングに加え、歯科医院での定期的なプロフェッショナルケアが不可欠です。通常2〜6ヶ月に一度のペースで来院いただき、清掃状態のチェックや専門的なクリーニングを行います。
Q他の骨を増やす治療法(GBR、サイナスリフト)との違いは何ですか?
GBRやサイナスリフトは、インプラントを埋めるために骨の量を増やす手術です。これには数ヶ月の治癒期間が必要ですが、ザイゴマインプラントは元々ある頬骨を利用するため、この期間が不要になる場合があります。結果として、全体の治療期間を短縮できる可能性があります。
参考文献・出典
- [1]Polido WD, et al. Indications for zygomatic implants: a systematic review. Oral Maxillofac Surg. 2023;27(3):355-366. doi: 10.1007/s10006-023-01149-z
- [2]Aparicio C, et al. Zygomatic implants: indications, techniques and outcomes, and the zygomatic success code. Periodontol 2000. 2014;66(1):41-58. doi: 10.1111/prd.12038
- [3]厚生労働省. 医療広告ガイドライン. https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10800000-Iseikyoku/0000209841.pdf
記事監修

東海林弘子(しょうじ ひろこ)
ORCインプラントクリニック大磯 院長
資格・所属学会
学歴
昭和医科大学歯学部卒業
※本記事は医療広告ガイドラインに準拠して作成しています。治癒を保証するものではなく、治療効果には個人差があります。
詳しくはカウンセリング時にご説明いたします。


