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【結論】この記事の要点
歯周病は日本人の成人の約37.1%が罹患している身近な疾患です。しかし初期には痛みがほとんどなく、気づいたときにはかなり進行していることが珍しくありません。歯磨き時の出血、口臭、歯肉の色の変化、歯が長くなったように見える——こうしたサインは歯周病の初期症状かもしれません。早期発見・早期治療が歯を守る鍵です。
歯周病は「沈黙の病気」——なぜ気づきにくいのか
歯周病が「沈黙の病気(Silent Disease)」と呼ばれるのは、初期段階ではほとんど痛みがないからです。虫歯のように「ズキズキ痛む」というわかりやすい症状がないため、多くの方がご自身の歯周病に気づいていません。歯周病で歯を失った方の多くが「気づいたときにはもう手遅れだった」とおっしゃいます。だからこそ、日頃からのセルフチェックが大切なのです。

【セルフチェック】歯周病の9つの初期症状
以下の症状に1つでも心当たりがあれば、歯周病の可能性があります。
- 歯磨き時に歯肉から出血する — 健康な歯肉は歯磨き程度では出血しません。出血は歯肉の炎症のサインです。
- 歯肉が赤く腫れている — 健康な歯肉は淡いピンク色で引き締まっています。赤くぶよぶよしている場合は歯肉炎の可能性があります。
- 口臭が気になる — 歯周病菌が産生する硫化水素やメチルメルカプタンが口臭の原因となります。
- 歯肉が下がって歯が長く見える — 歯周病による歯槽骨の吸収で歯肉が下がり、歯根が露出します。
- 歯と歯の間に食べ物が詰まりやすくなった — 歯肉の退縮や歯の移動により、歯間が広がります。
- 歯がグラグラする — 歯を支える骨が吸収されると、歯が動揺し始めます。これはかなり進行した状態です。
- 歯肉から膿が出る — 歯周ポケット内の感染が進行すると、排膿が見られることがあります。
- 噛むと痛い・違和感がある — 歯周病が進行すると、咬合時に痛みや違和感を感じることがあります。
- 朝起きたとき口の中がネバネバする — 就寝中は唾液の分泌が減り、細菌が繁殖しやすくなります。
— POINT
歯周病の進行段階と症状の変化… … 次のセクションで詳しく解説します。
歯周病の進行段階と症状の変化
歯周病は歯肉炎から始まり、段階的に進行します。
| 段階 | 状態 | 主な症状 | 可逆性 |
|---|---|---|---|
| 歯肉炎 | 歯肉のみの炎症 | 出血・腫れ | ○ 可逆 |
| 軽度歯周炎 | 歯槽骨の吸収開始 | 口臭・歯肉退縮 | △ 進行抑制可 |
| 中等度歯周炎 | 骨吸収が進行 | 歯の動揺・食べ物が詰まる | △ 治療が必要 |
| 重度歯周炎 | 骨の大部分が失われる | 歯の脱落・排膿 | × 抜歯の可能性 |
※費用は医療機関により異なります。上記は一般的な目安です。
大切なのは、歯肉炎の段階であれば完全に回復可能だということです。早期発見がいかに重要かがわかります。
歯周病のリスクが高い人の特徴
歯周病は誰でも罹患する可能性がありますが、特にリスクが高いのは以下のような方です。
- 喫煙者 — タバコの有害物質が歯肉の血流を悪化させ、免疫機能を低下させます。喫煙者の歯周病リスクは非喫煙者の2〜6倍です。
- 糖尿病の方 — 高血糖状態は感染に対する抵抗力を低下させます。
- ストレスが多い方 — ストレスは免疫機能を低下させ、歯ぎしり・食いしばりの原因にもなります。
- 不規則な食生活の方 — 栄養バランスの崩れは免疫機能に影響します。
- 家族に歯周病の方がいる — 歯周病菌は家族間で感染することがあります。

歯周病かも?と思ったらまずすべきこと
セルフチェックで1つでも心当たりがあった方は、まず歯科医院での検査をお勧めします。当院では、位相差顕微鏡検査で患者さまの口腔内細菌をその場で観察し、現状をわかりやすくご説明いたします。「自分は歯周病かもしれない」と思ったら、それが治療の第一歩です。早期発見・早期治療で、大切な歯を守りましょう。→ 歯周病治療の詳細はこちら
— POINT
治療のリスク・副作用・費用について… … 次のセクションで詳しく解説します。
治療のリスク・副作用・費用について
当院は自費専門クリニックです。治療内容:位相差顕微鏡検査・リアルタイムPCR検査による原因菌の特定、抗菌剤・抗真菌剤の内服による内科的除菌治療。費用:歯周内科治療パック¥38,500(税込)〜。リスク・副作用:抗菌剤による胃腸障害(胸やけ・吐き気・下痢)、アレルギー反応がまれに生じることがあります。重症度により内科的治療だけでは十分な改善が得られない場合があります。治療期間:約1〜2ヶ月。当院は自費専門クリニックです。→ 費用の詳細はこちら
よくある質問
Q歯周病は自分で気づけますか?
初期の歯肉炎は自覚症状が少ないですが、歯磨き時の出血や口臭などのサインに注意することで早期発見につながります。定期的な歯科検診が最も確実です。
Q歯周病の検査は痛いですか?
位相差顕微鏡検査は口腔内のサンプルを少量採取するだけですので、痛みはほとんどありません。歯周ポケット検査(プロービング)も軽い違和感程度です。
Q歯周病は何歳くらいから注意が必要ですか?
歯周病は30代から増加し始め、40代以降では約半数の方に何らかの症状が見られます。20代でも歯肉炎は珍しくありませんので、早い段階からの予防が大切です。
Q歯周病は遺伝しますか?
歯周病そのものは遺伝しませんが、歯周病になりやすい体質には遺伝的要因があるとされています。また、歯周病菌は家族間で感染することがあります。
参考文献・出典
- [1]厚生労働省「令和4年歯科疾患実態調査」
- [2]日本歯周病学会「歯周病の検査・診断・治療計画の指針2008」
- [3]Kinane, D. F., et al. (2017). Periodontal diseases. Nature Reviews Disease Primers, 3, 17038.
- [4]Genco, R. J., & Borgnakke, W. S. (2013). Risk factors for periodontal disease. Periodontology 2000, 62(1), 59-94.
記事監修

東海林弘子(しょうじ ひろこ)
ORCインプラントクリニック大磯 院長
資格・所属学会
学歴
昭和医科大学歯学部卒業
※本記事は医療広告ガイドラインに準拠して作成しています。治癒を保証するものではなく、治療効果には個人差があります。
詳しくはカウンセリング時にご説明いたします。

