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インプラント手術は痛い?静脈内鎮静法を歯科医師が解説
治療
公開:2025.12.15更新:2026.03.228分

インプラント手術は痛い?静脈内鎮静法を歯科医師が解説

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東海林弘子 院長

監修:東海林弘子

ORCインプラントクリニック大磯 院長 / ICD Fellow

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【結論】インプラントの痛みは? — この記事の要点

「インプラント手術は痛いのではないか」——これは、インプラント治療を検討されている方が最も多く抱える不安の一つです。結論から申し上げると、適切な麻酔管理のもとで行われるインプラント手術中に、強い痛みを感じることはほとんどありません。

当院「ORCインプラントクリニック大磯」では、局所麻酔に加えて静脈内鎮静法(点滴によるリラックス麻酔)を標準的に併用しています。静脈内鎮静法を使用すると、意識はあるものの深いリラックス状態となり、手術中の記憶がほとんど残らない方も多くいらっしゃいます。さらに、術後の回復を促進する高気圧酸素治療装置も完備しており、痛みや腫れの軽減に効果が期待できます。

この記事では、インプラント手術における痛みの実態、静脈内鎮静法の仕組みと安全性、術後の痛みのタイムライン、高気圧酸素治療による回復促進について、科学的根拠に基づいて詳しく解説します。痛みへの不安が治療をためらう原因になっている方に、正確な情報をお届けします。

麻酔法の比較

局所麻酔

痛み軽減
不安軽減
回復速度

笑気麻酔

痛み軽減
不安軽減
回復速度

静脈内鎮静法

痛み軽減
不安軽減
回復速度

全身麻酔

痛み軽減
不安軽減
回復速度
02

静脈内鎮静法の仕組み — 全身麻酔との違いと安全性

静脈内鎮静法(Intravenous Sedation、IV Sedation)とは、点滴から鎮静薬を投与することで、患者様を深いリラックス状態に導く麻酔法です。歯科治療における不安や恐怖を大幅に軽減し、快適に手術を受けていただくことができます。

静脈内鎮静法の仕組み

  • 腕の静脈に細い針を刺し、点滴ラインを確保します。そこから鎮静薬(主にミダゾラムやプロポフォール)を少量ずつ投与し、患者様の反応を見ながら適切な鎮静レベルを維持します。

鎮静薬の作用により、以下のような状態になります。 ・深いリラックス感(うとうとした状態) ・不安や恐怖の消失 ・時間感覚の変容(長時間の手術でも短く感じる) ・健忘効果(手術中の記憶がほとんど残らないことが多い)

重要なのは、静脈内鎮静法は「全身麻酔」とは異なるということです。

比較項目静脈内鎮静法全身麻酔
意識ぼんやりあり(呼びかけに反応)完全に消失
自発呼吸維持される人工呼吸が必要
気管挿管不要必要
実施場所歯科医院の手術室主に病院の手術室
回復時間30分〜1時間程度数時間〜半日
入院不要(日帰り)必要な場合が多い
身体への負担比較的少ない大きい

※費用は医療機関により異なります。上記は一般的な目安です。

静脈内鎮静法では、患者様の自発呼吸が維持されるため、気管挿管(のどにチューブを入れる処置)は不要です。全身麻酔に比べて身体への負担が少なく、術後の回復も早いのが大きなメリットです。

使用する薬剤

  • ミダゾラム(ドルミカム):ベンゾジアゼピン系の鎮静薬です。不安を和らげ、健忘効果があります。効果の発現が早く、安全性が高い薬剤です。
  • プロポフォール(ディプリバン):超短時間作用型の静脈麻酔薬です。鎮静レベルの調節が容易で、覚醒が速やかです。

これらの薬剤は、患者様の体重、年齢、全身状態に応じて投与量を細かく調整します。

安全管理体制

  • 当院では、静脈内鎮静法は歯科麻酔科医(麻酔の専門医)が担当します。手術中は以下のモニタリングを継続的に行い、患者様の安全を確保します。
  • 心電図(ECG):心臓のリズムを常時監視
  • 血圧:定期的に自動測定
  • パルスオキシメーター:血中酸素飽和度を常時監視
  • カプノメーター:呼気中の二酸化炭素濃度を監視
  • 体温:低体温の予防と管理

術者(インプラント手術を行う歯科医師)と麻酔科医が役割を分担することで、それぞれが自分の専門分野に集中でき、より安全で質の高い治療を提供できます。

ORCインプラントクリニック大磯のハイブリッドオペ室 — 生体モニター完備の安全な手術環境

ORCインプラントクリニック大磯のハイブリッドオペ室 — 生体モニター完備の安全な手術環境

インプラント手術は痛い?静脈内鎮静法を歯科医師が解説 - セクション区切り
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手術中・手術後の痛みの実際 — タイムラインで解説

インプラント手術における痛みは、「手術中」「手術直後」「術後数日間」「術後1週間以降」の4つのフェーズに分けて理解すると、より正確なイメージを持つことができます。

フェーズ1:手術中

  • 静脈内鎮静法と局所麻酔の併用により、手術中に痛みを感じることはほとんどありません。局所麻酔(リドカインやアーティカインなどの歯科用局所麻酔薬)が手術部位の痛覚を完全にブロックし、静脈内鎮静法が不安や恐怖を取り除きます。

患者様の多くは、「気がついたら手術が終わっていた」「何をされていたか覚えていない」とおっしゃいます。手術時間はAll-on-4の場合、片顎で約1.5〜3時間程度ですが、鎮静下では時間の経過をほとんど感じません。

フェーズ2:手術直後〜当日

  • 手術終了後、鎮静薬の効果は30分〜1時間程度で徐々に薄れます。局所麻酔の効果は2〜4時間程度持続するため、手術直後はまだ痛みを感じにくい状態です。

局所麻酔が切れ始めると、じわじわとした鈍い痛みを感じ始めます。この段階で処方された痛み止めを服用していただきます。痛みの程度は個人差がありますが、多くの方が「抜歯後の痛みと同程度」あるいは「それよりも軽い」と表現されます。

フェーズ3:術後1〜3日目(ピーク期)

  • 術後の痛みと腫れは、一般的に手術後24〜72時間(1〜3日目)がピークとなります。この期間は、処方された痛み止めを定期的に服用していただくことで、日常生活に支障のないレベルにコントロールできます。

腫れは頬や唇の周囲に出ることがあり、見た目にはやや目立つ場合があります。内出血(あざ)が出ることもありますが、これは正常な反応であり、1〜2週間で自然に消退します。

フェーズ4:術後4日目〜1週間

  • 日目以降は、痛みと腫れが徐々に軽減していきます。1週間後の抜糸の頃には、多くの方が痛み止めなしで過ごせるようになります。ただし、完全に腫れが引くまでには2〜3週間かかることがあります。

痛み止めの種類と使い分け

  • 術後の痛みのコントロールには、主に以下の薬剤を使用します。
  • ロキソプロフェン(ロキソニン):非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)。痛みと炎症を抑える効果が高く、術後の第一選択薬として広く使用されます。胃腸障害の副作用があるため、胃薬と併用することがあります。
  • アセトアミノフェン(カロナール):解熱鎮痛薬。NSAIDsよりも胃腸への負担が少なく、NSAIDsが使用できない方(胃潰瘍の既往がある方、腎機能が低下している方など)に使用されます。
  • 抗生物質:感染予防のために、術後数日間服用していただきます。
術後の経過痛みの程度腫れ対処法
手術当日軽度〜中等度軽度痛み止め定期服用・冷却
1〜3日目中等度(ピーク)中等度〜強痛み止め定期服用・安静
4〜7日目軽度(改善傾向)軽度(改善傾向)必要時のみ痛み止め
1〜2週間後ほぼなしほぼなし通常生活へ復帰

※費用は医療機関により異なります。上記は一般的な目安です。

— POINT

高気圧酸素治療による回復促進 — 科学的根拠と当院の取り組み… … 次のセクションで詳しく解説します。

04

高気圧酸素治療による回復促進 — 科学的根拠と当院の取り組み

当院では、インプラント手術後の回復を促進するために、高気圧酸素治療(Hyperbaric Oxygen Therapy、HBO)を導入しています。これは、通常の大気圧よりも高い気圧環境下で高濃度の酸素を吸入する治療法です。

高気圧酸素治療の仕組み

  • 通常の大気圧(1気圧)下では、血液中のヘモグロビンに結合した酸素が体の各組織に運ばれます。高気圧環境下(1.3〜2.0気圧)では、ヘモグロビンに結合する酸素量が増加するだけでなく、血漿(血液の液体成分)に直接溶解する酸素量も大幅に増加します。これにより、通常よりも多くの酸素が手術部位を含む全身の組織に届けられます。

期待される効果

  • 創傷治癒の促進:豊富な酸素供給により、組織の修復に必要な細胞の活動が活性化されます。コラーゲンの合成促進、線維芽細胞の増殖促進、新生血管の形成促進などが報告されています。
  • 腫れ・浮腫の軽減:高気圧環境下では血管が収縮し、組織への過剰な液体の漏出が抑制されます。これにより、術後の腫れが軽減される効果が期待できます。
  • 感染リスクの低減:高濃度の酸素は、嫌気性菌(酸素を嫌う細菌)の増殖を抑制する効果があります。また、白血球の殺菌能力を高める作用も報告されています。
  • 骨結合(オッセオインテグレーション)の促進:インプラントと骨の結合過程において、十分な酸素供給は骨芽細胞の活動を促進し、骨結合の質と速度を向上させる可能性があります。

当院の高気圧酸素治療装置

  • 当院では、医療用の高気圧酸素治療装置を完備しています。カプセル型の装置内に入り、1回あたり約60分間の治療を行います。治療中は読書やスマートフォンの使用も可能で、リラックスした状態でお過ごしいただけます。

インプラント手術後の高気圧酸素治療は、通常、手術翌日から開始し、数回〜十数回のセッションを行います。治療回数は患者様の状態や手術の規模に応じて個別に設定します。

科学的エビデンス

  • 高気圧酸素治療のインプラント治療への応用に関しては、複数の研究で肯定的な結果が報告されています。特に、骨質が不良な部位でのインプラント成功率の向上、術後の腫れや痛みの軽減、骨造成手術後の骨形成促進などについて、有望なデータが蓄積されつつあります。ただし、大規模なランダム化比較試験(RCT)はまだ限られており、今後のさらなる研究が期待されています。

当院では、高気圧酸素治療を「標準治療」としてではなく、「回復を促進するためのオプション」として位置づけています。すべての患者様に強制するものではなく、ご希望に応じてご利用いただいています。

ORCインプラントクリニック大磯の高気圧酸素治療装置 — 術後の回復を促進

ORCインプラントクリニック大磯の高気圧酸素治療装置 — 術後の回復を促進

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インプラント手術前の準備と注意事項

インプラント手術を安全かつ快適に受けるためには、術前の準備が重要です。以下に、手術前に知っておいていただきたいポイントをまとめます。

手術前日までに行うこと

  • 常用薬の確認:血液をサラサラにする薬(ワーファリン、バイアスピリンなど)を服用中の方は、主治医と相談の上、手術前に休薬が必要な場合があります。カウンセリング時に必ずお薬手帳をご持参ください。
  • 禁煙:喫煙はインプラントの成功率を著しく低下させます。手術の少なくとも2週間前から禁煙をお勧めしています。理想的には、治療期間中および治療後も禁煙を継続していただくことが望ましいです。
  • 口腔内の清潔:手術前にプロフェッショナルクリーニングを行い、口腔内の細菌数を減らします。これにより、術後感染のリスクを低減できます。
  • 体調管理:手術前日は十分な睡眠をとり、体調を整えておいてください。風邪や発熱がある場合は、無理せず延期をご相談ください。

手術当日の注意事項

  • 食事:静脈内鎮静法を行うため、手術の6時間前から絶食、2時間前から絶飲となります。これは、誤嚥(嘔吐物が気道に入ること)を防ぐための重要な安全対策です。
  • 服装:腕まくりがしやすい、ゆったりとした服装でお越しください。点滴のために腕を出す必要があります。
  • 交通手段:静脈内鎮静法後はお車の運転ができません。付き添いの方の送迎またはタクシーをご手配ください。
  • 化粧・アクセサリー:ネイルアートやマニキュアはパルスオキシメーターの装着に影響するため、手の爪は短く切っておいてください。

術後の生活上の注意点

  • 食事:手術当日から仮歯での食事が可能ですが、最初の1週間は柔らかい食事(おかゆ、スープ、うどん、豆腐など)を中心にしてください。硬いものや熱いものは避けましょう。
  • 入浴:手術当日はシャワー程度にし、長湯は避けてください。血行が促進され、腫れや出血が悪化する可能性があります。
  • 運動:術後1週間は激しい運動を避けてください。軽いウォーキング程度は翌日から可能です。
  • 飲酒:術後最低3日間は禁酒をお勧めします。アルコールは血行を促進し、腫れや出血を悪化させる可能性があります。
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インプラントの痛みに関するよくある誤解

インプラント手術の痛みについては、多くの誤解が広まっています。ここでは、代表的な誤解とその実際について解説します。

誤解1:「インプラント手術は歯を抜くよりも痛い」

  • 実際には、多くの患者様が「抜歯よりも楽だった」とおっしゃいます。インプラント手術は、歯を抜くのではなく、骨に小さな穴を開けてインプラント体を埋入する処置です。抜歯のように歯を揺さぶったり、歯根を分割したりする必要がないため、周囲組織へのダメージが少なく、術後の痛みも軽度です。さらに、静脈内鎮静法を併用することで、手術中の不快感はほぼ完全に解消されます。

誤解2:「骨にネジを埋め込むのだから、とても痛いはず」

  • 「骨にネジを埋める」という表現が恐怖心を煽りますが、実際の感覚は大きく異なります。骨には痛覚神経が非常に少なく、痛みを感じるのは主に歯肉(歯茎)や骨膜です。局所麻酔でこれらの組織の痛覚をブロックするため、手術中に痛みを感じることはほとんどありません。振動や圧迫感を感じることはありますが、静脈内鎮静法によりそれも気にならないレベルまで軽減されます。

誤解3:「インプラントの本数が多いほど痛い」

  • All-on-4は片顎4本のインプラントで全歯を支える治療法ですが、「4本も埋めるのなら、痛みも4倍では?」と思われるかもしれません。しかし、痛みはインプラントの本数に比例するわけではありません。手術部位全体に局所麻酔が効いているため、1本でも4本でも手術中の痛みは同じく「ない」のです。術後の腫れは手術の規模によってやや大きくなることがありますが、痛み止めで十分にコントロール可能です。

誤解4:「高齢者は痛みに耐えられない」

  • 年齢と痛みの感じ方には直接的な関係はありません。当院では70代、80代の患者様も多くインプラント手術を受けておられ、「思っていたよりずっと楽だった」とおっしゃる方がほとんどです。静脈内鎮静法により、年齢に関係なく快適に手術を受けていただけます。ただし、全身疾患(高血圧、糖尿病、心疾患など)をお持ちの方は、事前に主治医との連携が必要です。当院では歯科麻酔科医が全身状態を総合的に評価し、安全に手術を行えるかどうかを判断します。

— POINT

痛みが不安な方へ — 当院のサポート体制… … 次のセクションで詳しく解説します。

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痛みが不安な方へ — 当院のサポート体制

インプラント治療に対する痛みの不安は、非常に自然な感情です。当院では、患者様の不安に寄り添い、できる限り快適に治療を受けていただけるよう、以下のサポート体制を整えています。

術前カウンセリング

  • 初回カウンセリングでは、治療の流れ、麻酔の方法、術後の痛みの見通しなどを丁寧にご説明します。「どのくらい痛いのか」「いつまで痛みが続くのか」「仕事はいつから復帰できるのか」など、どんな小さな疑問にもお答えします。不安が強い方には、過去の患者様の体験談(匿名)をお伝えすることもあります。

歯科麻酔科医の常駐

  • 当院では、インプラント手術時に歯科麻酔科医が常駐し、静脈内鎮静法の管理を専門的に行います。術者と麻酔科医が役割を分担することで、それぞれが専門分野に集中でき、安全性と快適性の両立を実現しています。

ハイブリッドオペ室

  • 当院のハイブリッドオペ室は、手術室内にCT撮影装置を完備した高度な手術環境です。術中にリアルタイムでCT画像を確認できるため、より精密で安全な手術が可能です。手術時間の短縮にもつながり、結果として術後の痛みや腫れの軽減にも寄与します。

術後のフォローアップ

  • 手術翌日には必ず経過観察のための来院をお願いしています。痛みや腫れの状態を確認し、必要に応じて痛み止めの調整や追加処置を行います。また、術後に不安なことがあれば、いつでもお電話でご相談いただける体制を整えています。

高気圧酸素治療

  • 前述の通り、術後の回復を促進する高気圧酸素治療をご利用いただけます。痛みや腫れの軽減に効果が期待でき、日常生活への早期復帰をサポートします。

痛みへの不安は、正しい情報を知ることで大幅に軽減されます。「怖いから」という理由で治療を先延ばしにすると、骨吸収がさらに進行し、将来的に治療の選択肢が狭まってしまう可能性があります。まずは、お気軽にカウンセリングにお越しください。実際の手術室をご見学いただくことも可能です。

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当院の痛み対策の全体像 — 術前・術中・術後の三段階アプローチ

当院「ORCインプラントクリニック大磯」では、インプラント治療における痛みの管理を、術前・術中・術後の三段階に分けて体系的に行っています。それぞれの段階で最適な対策を講じることで、患者様の痛みと不安を最小限に抑えています。

第1段階:術前の痛み対策

  • 術前カウンセリングでは、治療の流れ、使用する麻酔の種類と効果、術後の痛みの見通しなどを丁寧にご説明します。「知らないことへの恐怖」が痛みの感じ方を増幅させることが科学的に証明されており、正確な情報提供が最も効果的な「痛み対策」の第一歩です。また、歯科恐怖症が強い方には、術前にリラクゼーション法の指導や、場合によっては術前投薬を行うこともあります。

術前の口腔ケアも重要です。プロフェッショナルクリーニングにより口腔内の細菌数を減らし、術後感染のリスクを低減します。感染が起これば痛みも増すため、予防が最善の痛み対策となります。

第2段階:術中の痛み対策

  • 手術中は、局所麻酔と静脈内鎮静法の二重の痛み対策を施します。局所麻酔は手術部位の痛覚を完全にブロックし、静脈内鎮静法は意識レベルを下げて不安と恐怖を取り除きます。歯科麻酔科医が生体モニターで全身状態を常時監視し、鎮静レベルを最適に維持します。

当院のハイブリッドオペ室では、術中にCT撮影を行い、インプラントの埋入位置をリアルタイムで確認できます。これにより手術の精度が向上し、不必要な組織損傷を避けることができます。組織損傷が少なければ、術後の痛みも軽減されます。

第3段階:術後の痛み対策

  • 術後は、痛み止め(ロキソプロフェン、アセトアミノフェンなど)と抗生物質を処方し、痛みと感染を予防します。痛み止めは「痛くなってから飲む」のではなく、「痛くなる前に定期的に飲む」ことが重要です。局所麻酔が切れる前に最初の1錠を服用していただくよう指導しています。

さらに、高気圧酸素治療により術後の回復を促進します。高濃度の酸素が創傷治癒を加速し、腫れや痛みの軽減に寄与します。術後翌日の経過観察では、痛みの状態を確認し、必要に応じて投薬の調整を行います。

当院では、インプラント30,000本以上の実績に基づく豊富な経験から、患者様一人ひとりに最適な痛み管理プランを提供しています。「痛みが怖い」という理由で治療をためらっている方は、ぜひ一度カウンセリングにお越しください。実際の手術室をご見学いただくことも可能です。

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患者様の声 — 実際に手術を受けた方の痛みに関する感想

インプラント手術の痛みについて、実際に当院で治療を受けた患者様からいただいた感想をご紹介します(個人が特定されないよう、年代と性別のみ記載しています)。

60代女性・All-on-4治療

  • 「長年入れ歯で苦しんでいましたが、手術が怖くてなかなか踏み切れませんでした。実際に受けてみると、気がついたら終わっていて、本当に拍子抜けしました。術後は3日ほど腫れましたが、痛み止めを飲んでいれば普通に過ごせました。もっと早く決断すればよかったと思っています。」

70代男性・ザイゴマインプラント治療

  • 「他院で骨が足りないと断られ、こちらを紹介されました。ザイゴマインプラントは大がかりな手術だと聞いていたので不安でしたが、麻酔科の先生がずっとそばにいてくれて安心でした。手術中は全く痛みを感じず、翌日から仮歯で食事ができたのには驚きました。高気圧酸素治療のおかげか、腫れも思ったより早く引きました。」

50代女性・All-on-4治療

  • 「歯医者が大の苦手で、虫歯の治療でも泣いてしまうほどでした。静脈内鎮静法を使っていただいたおかげで、手術中の記憶がほとんどありません。術後の痛みは抜歯の時よりも軽かったです。今では何でも噛めるようになり、人生が変わりました。」

80代男性・All-on-4治療

  • 「80歳を過ぎてからの手術で家族も心配していましたが、麻酔科の先生が全身状態をしっかり管理してくださり、無事に終わりました。術後は少し腫れましたが、痛みは思ったほどではなく、処方された薬で十分コントロールできました。」

これらの感想はあくまで個人の体験であり、痛みの感じ方には個人差があります。しかし、多くの患者様が「思っていたよりも楽だった」とおっしゃっていることは、インプラント手術の痛みに対する不安を和らげる一つの参考になるのではないでしょうか。

— POINT

関連ページのご案内… … 次のセクションで詳しく解説します。

FAQ

よくある質問

Q静脈内鎮静法は安全ですか?副作用はありますか?

A

静脈内鎮静法は、歯科治療において広く使用されている安全性の高い麻酔法です。当院では歯科麻酔科医が専門的に管理し、心電図、血圧、血中酸素飽和度などを常時モニタリングしています。主な副作用としては、術後の眠気(数時間で消失)、まれに吐き気が生じることがあります。重篤な副作用は極めて稀ですが、万が一に備えて救急対応の設備と体制を整えています。なお、鎮静後は自動車の運転ができないため、付き添いの方の送迎またはタクシーでのご帰宅をお願いしています。

Q手術後、仕事はいつから復帰できますか?

A

個人差がありますが、デスクワーク中心のお仕事であれば、手術翌日〜2日後から復帰される方が多いです。ただし、術後1〜3日目が痛みと腫れのピークとなるため、可能であれば手術後2〜3日間はお休みを取られることをお勧めします。接客業や営業職など、人と対面するお仕事の場合は、腫れが目立つ可能性があるため、1週間程度のお休みを確保されると安心です。重い荷物を持つなどの肉体労働は、術後1〜2週間は避けていただくようお願いしています。

Q歯科恐怖症ですが、インプラント手術を受けられますか?

A

はい、歯科恐怖症の方こそ、静脈内鎮静法が大きな助けとなります。鎮静薬の作用により、不安や恐怖が大幅に軽減され、リラックスした状態で手術を受けていただけます。手術中の記憶がほとんど残らない方も多く、「思っていたよりもずっと楽だった」というお声を多数いただいています。カウンセリング時に不安の程度をお聞かせいただき、最適な鎮静レベルを設定いたします。

Qインプラント手術後に痛み止めが効かない場合はどうすればいいですか?

A

処方された痛み止めで痛みが十分にコントロールできない場合は、すぐに当院にご連絡ください。痛み止めの種類や投与量を調整いたします。ロキソプロフェンで効果が不十分な場合は、アセトアミノフェンとの併用や、より強力な鎮痛薬への変更を検討します。また、術後の痛みが通常の経過を超えて強い場合は、感染やドライソケット(抜歯窩の治癒不全)などの合併症の可能性もあるため、早めの受診をお勧めします。当院では術後の緊急連絡体制を整えており、診療時間外でもお電話でご相談いただけます。

Q持病がありますが、静脈内鎮静法は受けられますか?

A

高血圧、糖尿病、心疾患、呼吸器疾患などの持病がある方でも、多くの場合は静脈内鎮静法を受けていただけます。ただし、事前に主治医との連携が必要です。当院では歯科麻酔科医がカウンセリング時に詳しい問診を行い、全身状態を総合的に評価します。必要に応じて主治医に照会状を送り、手術と鎮静の安全性を確認します。重度の心不全や呼吸不全がある場合は、病院での管理下での手術をお勧めすることもあります。お薬手帳と最近の検査結果をお持ちいただくと、より正確な評価が可能です。

参考文献・出典

  • [1]日本歯科麻酔学会. 歯科診療における静脈内鎮静法ガイドライン. https://kokuhoken.net/jdsa/publication/guideline.html
  • [2]Stach DJ, Cross-Poline GN, Newman SM, Spohn EE. Effect of repeated sterilization and ultrasonic cleaning on the cutting efficiency of stainless steel endodontic files. J Endod. 1988;14(2):94-96.
  • [3]Esposito M, Grusovin MG, Worthington HV. Interventions for replacing missing teeth: hyperbaric oxygen therapy for irradiated patients who require dental implants. Cochrane Database Syst Rev. 2013;(9):CD003603.
  • [4]厚生労働省. 医療広告ガイドライン. https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/kokokukisei/index.html

記事監修

東海林弘子 院長

東海林弘子(しょうじ ひろこ)

ORCインプラントクリニック大磯 院長

資格・所属学会

歯科医師ICD Fellow(国際歯科学士会)厚生労働省臨床研修医指導医日本口腔インプラント学会会員国際歯周内科研究会認定医日本アンチエイジング歯科学会理事

学歴

昭和医科大学歯学部卒業

公開日:2025.12.15最終更新日:2026.03.22読了時間:8分

※本記事は医療広告ガイドラインに準拠して作成しています。治癒を保証するものではなく、治療効果には個人差があります。
詳しくはカウンセリング時にご説明いたします。

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