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インプラント治療を受けられない場合とは——代替治療の選択肢も含めて解説
治療
公開:2025.11.10更新:2026.03.228分

インプラント治療を受けられない場合とは——代替治療の選択肢も含めて解説

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東海林弘子 院長

監修:東海林弘子

ORCインプラントクリニック大磯 院長 / ICD Fellow

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【結論】インプラント治療が難しい場合でも、諦める必要はありません

インプラント治療は優れた治療法ですが、健康状態や顎の骨の状態によっては受けられない場合があります。これを「禁忌症」と呼びます。しかし、治療を諦める必要はありません。インプラントが難しい場合でも、ブリッジや入れ歯オーバーデンチャーといった代替治療で歯の機能を取り戻すことが期待できます。ご自身の状態を正確に把握し、歯科医師と相談しながら最適な治療法を見つけることが重要です。

インプラント治療のリスク一覧

術中リスク要注意
  • 出血
  • 神経損傷
  • 上顎洞穿孔
術後リスク経過観察
  • 感染
  • 腫れ・痛み
  • インプラント脱落
長期リスク定期管理
  • インプラント周囲炎
  • 上部構造の破損
  • 骨吸収
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インプラント治療ができない「禁忌症」とは?

インプラント治療は、失った歯の代わりに人工の歯根(インプラント)を顎の骨に埋め込み、その上に人工の歯を装着する治療法です。天然の歯に近い見た目と機能を取り戻せるため、人気の高い治療ですが、外科手術を伴うため誰でも受けられるわけではありません。インプラント治療が適さない、あるいはリスクが高いと判断される特定の健康状態や身体的特徴を「禁忌症(きんきしょう)」と呼びます。禁忌症には、治療が原則として不可能な「絶対的禁忌症」と、条件を整えれば治療が可能になる「相対的禁忌症」の2種類があります。安全に治療を進めるためには、治療前の精密な検査と診断を通じて、ご自身が禁忌症に該当しないかを確認することが不可欠です。

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インプラント治療の「絶対的禁忌」と「相対的禁忌」

インプラント治療の禁忌症は、そのリスクの度合いによって「絶対的禁忌」と「相対的禁忌」に分けられます。

絶対的禁忌症は、安全な治療の遂行が極めて困難であるため、原則としてインプラント治療を受けられない状態を指します。具体的には、コントロールが極めて困難な重度の全身疾患(例:心筋梗塞発症後6ヶ月以内、重度の糖尿病)、顎骨への放射線治療の既往、特定の薬剤(ビスフォスフォネート製剤の長期使用者など)を服用中の方、骨の成長が完了していない18歳未満の方などが該当します。これらの状態では、手術による身体への負担や、インプラントが骨と結合しないリスクが非常に高くなります。

一方、相対的禁忌症は、現状のままではリスクが高いものの、適切な管理や前処置を行うことで治療が可能になる状態です。例えば、歯周病に罹患している場合はまず歯周病治療を優先し、口腔内環境を改善します。喫煙習慣のある方は、感染リスクの低下や治癒促進のために禁煙が推奨されます。また、顎の骨の量が不足している場合は、骨造成手術によってインプラントを埋め込むための土台を整える場合があります。

— POINT

インプラント治療が難しい場合の代替治療… … 次のセクションで詳しく解説します。

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インプラント治療が難しい場合の代替治療

インプラント治療が禁忌症などの理由で難しい場合でも、歯の機能と見た目を回復させるための代替治療が存在します。代表的な選択肢は「ブリッジ」と「入れ歯」です。

ブリッジは、失った歯の両隣にある健康な歯を支えにして、橋を架けるように一体型の人工歯を装着する方法です。固定式のため安定性が高く、比較的自然な見た目を回復できます。

入れ歯(義歯)は、取り外し可能な装置で、部分的に歯を失った場合の「部分床義歯」と、すべての歯を失った場合の「総義歯」があります。周囲の歯や歯茎にバネをかけて固定します。

さらに、これらの治療法を組み合わせたインプラントオーバーデンチャーという選択肢もあります。これは、数本のインプラントを顎に埋め込み、それを支えとして取り外し式の入れ歯を安定させる方法です。通常の入れ歯よりも格段に安定性が増し、しっかりと噛むことが期待できます。

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【比較表】ブリッジ・入れ歯・インプラントの特徴

各治療法にはそれぞれ異なる特徴があります。ご自身のライフスタイルや価値観、そして歯科医師の診断のもと、総合的に判断することが大切です。以下に、それぞれの治療法の主な特徴をまとめました。

治療法メリットデメリット費用目安(1本あたり)治療期間
インプラント・天然歯に近い噛み心地と見た目<br>・周囲の歯を削らない<br>・顎の骨が痩せるのを防ぐ効果が期待できる・外科手術が必要<br>・治療期間が長い<br>・保険適用外で費用が高い<br>・全身疾患などにより適応できない場合がある30万円~3ヶ月~1年
ブリッジ・固定式で違和感が少ない<br>・比較的短期間で治療が完了する<br>・保険適用の素材もある・健康な両隣の歯を削る必要がある<br>・支えとなる歯に負担がかかる<br>・清掃が難しく、虫歯や歯周病のリスクが高まる場合がある5万円~(保険適用)<br>10万円~(自費)1~2ヶ月
入れ歯・健康な歯をほとんど削らない<br>・比較的安価<br>・広範囲の欠損に対応できる<br>・取り外して清掃できる・違和感や異物感がある<br>・発音しにくいことがある<br>・安定性が低く、硬いものが噛みにくい場合がある<br>・毎日の手入れが必要3万円~(保険適用)<br>15万円~(自費)1~2ヶ月

※費用は医療機関により異なります。上記は一般的な目安です。

※上記はあくまで一般的な目安であり、個々の症状や治療内容、使用する材料によって費用や期間は変動します。治療前には必ずリスクや副作用、個人差があることについて歯科医師から十分な説明を受けてください。

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将来的にインプラント治療が可能になることも

相対的禁忌症に該当し、現時点ではインプラント治療が難しいと診断された場合でも、将来的に治療が可能になるケースがあります。重要なのは、治療の障害となっている問題を解決・管理することです。

例えば、重度の歯周病が原因であれば、徹底的な歯周病治療を行い、口腔内の衛生状態を長期的に安定させることで、インプラント治療への道が開ける可能性があります。また、喫煙はインプラントの成功率を下げると報告されていますが、禁煙に成功し、一定期間が経過すればリスクは大幅に低減します。

顎の骨の量が不足している場合も、骨造成手術(GBR法サイナスリフトなど)によって骨の再生を促し、インプラントを支えるのに十分な土台を築くことが期待できます。持病が理由の場合も、主治医と連携し、病状が安定的にコントロールされている状態になれば、インプラント治療を受けられる可能性があります。諦めずに、まずは歯科医師に相談し、どのような条件が整えば治療が可能になるのか、具体的な道筋を確認することが大切です。

— POINT

当院でのインプラント治療と費用… … 次のセクションで詳しく解説します。

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当院でのインプラント治療と費用

当院、ORCインプラントクリニック大磯は、難症例にも対応可能な体制を整えております。当院は日本で初めてZAGA CENTERとして認定された施設であり、インプラント治療で30,000本以上、特に難易度の高いザイゴマインプラントで1,000症例以上の豊富な実績があります。

治療にあたっては、歯科用CTによる精密検査とシミュレーションを徹底し、安全性と正確性を追求します。また、ハイブリッドオペ室高気圧酸素治療室といった高度な設備を備え、手術後の回復をサポートする体制も整えています。

費用については、インプラント治療は自由診療となります。目安として、片顎全ての歯をインプラントで補う場合、2,200,000円(税込)からとなります。骨の吸収が著しい方向けのザイゴマインプラントは、1本あたり440,000円(税込)が追加となります。これらの費用はあくまで目安であり、お口の状態や治療計画によって変動します。

インプラント治療が難しいとお悩みの場合でも、当院の専門的な知見と設備が、治療の可能性を広げる一助となるかもしれません。ご自身の状態に当院の体制が合う可能性があると感じられた場合は、一度ご相談ください。

FAQ

よくある質問

Qインプラント治療ができない主な理由は何ですか?

A

重度の全身疾患(コントロール不良の糖尿病など)、顎の骨への放射線治療歴、妊娠中、骨の成長が終わっていない若年者などが主な理由です。これらは「絶対的禁忌症」と呼ばれ、安全な治療が困難なため原則としてインプラント治療は行われません。

Q歯周病でもインプラント治療はできますか?

A

歯周病に罹患している状態では、インプラント治療は推奨されません。しかし、これは「相対的禁忌症」であり、まず歯周病の治療を徹底的に行い、口腔内の衛生状態が改善・安定すれば、インプラント治療が可能になる場合があります。

Q骨が少なくてもインプラントはできますか?

A

顎の骨の量が不足している場合、そのままではインプラントを埋め込むことが難しいです。しかし、「骨造成」という骨を増やす手術を行うことで、インプラント治療が可能になることがあります。歯科用CTなどで骨の状態を精密に検査した上で判断されます。

Qインプラントの代替治療にはどのようなものがありますか?

A

主な代替治療として「ブリッジ」と「入れ歯」があります。ブリッジは失った歯の両隣の歯を削って橋渡しをする固定式の装置です。入れ歯は取り外し式の装置で、多くの歯を失った場合にも対応できます。それぞれにメリット・デメリットがあります。

Qブリッジのメリットとデメリットは何ですか?

A

ブリッジのメリットは、固定式で違和感が少なく、比較的短期間で治療が終わることです。一方、デメリットは、支えにするために健康な両隣の歯を削る必要があること、そして支える歯に負担がかかることです。

Qインプラント治療の費用はどのくらいかかりますか?

A

インプラント治療は自由診療のため、歯科医院や治療内容によって費用は大きく異なります。一般的な目安として1本あたり30万円から50万円程度ですが、当院のような全顎的な治療では片顎2,200,000円(税込)からとなります。正確な費用は事前の診断と治療計画に基づいて提示されます。

Qザイゴマインプラントとは何ですか?

A

ザイゴマインプラントは、上顎の骨が非常に少ない難症例に対して行われる特殊なインプラント治療です。頬骨(ザイゴマ)に長いインプラントを埋め込むことで、骨移植をせずにインプラントを固定します。高度な技術を要する治療法です。

参考文献・出典

  • [1]公益社団法人日本口腔インプラント学会. 口腔インプラント治療指針2024.
  • [2]厚生労働省. 「歯科インプラント治療指針」について.
  • [3]特定非営利活動法人日本歯周病学会. 歯周病患者におけるインプラント治療のガイドライン.

記事監修

東海林弘子 院長

東海林弘子(しょうじ ひろこ)

ORCインプラントクリニック大磯 院長

資格・所属学会

歯科医師ICD Fellow(国際歯科学士会)厚生労働省臨床研修医指導医日本口腔インプラント学会会員国際歯周内科研究会認定医日本アンチエイジング歯科学会理事

学歴

昭和医科大学歯学部卒業

公開日:2025.11.10最終更新日:2026.03.22読了時間:8分

※本記事は医療広告ガイドラインに準拠して作成しています。治癒を保証するものではなく、治療効果には個人差があります。
詳しくはカウンセリング時にご説明いたします。

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