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オールオン4に向いている人・向いていない人——歯科医師が正直に解説
All-on-4
公開:2026.02.05更新:2026.03.228分

オールオン4に向いている人・向いていない人——歯科医師が正直に解説

オールオン4 適応 条件All-on-4 向いている人インプラント 条件オールオン4 できない
東海林弘子 院長

監修:東海林弘子

ORCインプラントクリニック大磯 院長 / ICD Fellow

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【結論】オールオン4、あなたに最適な治療法か?専門家が判断基準を解説

オールオン4は、多くの歯を失った方や総入れ歯に不満を持つ方にとって、1日で固定式の歯を手に入れられる画期的な治療法です。しかし、誰にでも適応するわけではなく、顎の骨の状態や全身の健康状態によって向き不向きがあります。この記事では、歯科医師がオールオン4の適応条件、慎重な検討が必要なケース、治療の流れや費用までを正直に解説します。ご自身が向いているのか、この記事を参考にしながら、まずは専門の歯科医師に相談することが重要です。

All-on-4 適応チェックリスト

向いている方
  • 総入れ歯に不満がある方
  • 残存歯が少なく全顎治療が必要な方
  • 手術当日に歯を入れたい方
  • 骨量がある程度残っている方
×
向いていない方
  • 1〜2本の欠損のみの方
  • 重度の全身疾患がある方
  • 喫煙を続ける方
  • 定期メンテナンスに通えない方
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オールオン4とは?4本のインプラントで全ての歯を支える仕組み

オールオン4は、ポルトガルの歯科医師パウロ・マロによって開発された、全ての歯を失った方のためのインプラント治療法です。従来の方法では片顎に8〜14本のインプラントが必要でしたが、オールオン4では、力学的に計算された位置に最小4本のインプラントを埋入し、その上に12本分の連結された人工歯(上部構造)を固定します。奥のインプラントを傾斜させて埋入することで、骨が少ないケースでも骨造成などの追加手術を避けられる可能性が高まります。手術当日に仮歯が装着される「即時荷重」が特徴で、その日のうちに食事を楽しめるようになることが期待できます。

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オールオン4のメリットと注意点(リスク・副作用)

オールオン4には多くのメリットがありますが、注意すべき点も存在します。

メリット: - 即時機能: 手術当日に仮歯が入り、すぐに噛めるようになります。 - 経済的・身体的負担の軽減: 従来のインプラント治療より少ない本数で済むため、費用や手術の負担が軽減される場合があります。 - 骨造成の回避: 骨の厚い部分を選んで埋入するため、骨移植などの追加手術の可能性を低減できます。 - 審美性と機能性の回復: 天然歯に近い見た目と感覚を取り戻し、食事や会話を自然に楽しめます。

注意点(リスク・副作用): - 外科手術: 腫れ、痛み、内出血、神経麻痺のリスクが伴います。これらは一時的な場合がほとんどです。 - 保険適用外: 治療費は全額自己負担となり、高額になる場合があります。 - メンテナンス必須: 天然歯と同様に、インプラント周囲炎のリスクがあるため、毎日のセルフケアと定期的なプロのメンテナンスが不可欠です。怠るとインプラント脱落の原因となります。 - 完全な固定式: ご自身での取り外しはできません。清掃が難しい部分が出てくる可能性があります。 治療結果には個人差があることをご理解ください。

— POINT

オールオン4が向いている人・慎重な検討が必要な人… … 次のセクションで詳しく解説します。

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【自己診断】オールオン4が向いている人・慎重な検討が必要な人

ご自身の状況がオールオン4に適しているか、以下のリストで確認してみましょう。

オールオン4が向いている可能性が高い方: - ほとんどの歯を失った、または全ての歯がない方 - 総入れ歯のズレ、痛み、味覚の低下に悩んでいる方 - 複数のインプラントや骨造成が必要と診断されたが、負担を減らしたい方 - 比較的、短期間で固定式の歯を手に入れたい方

慎重な検討が必要、または適応外となる可能性がある方: - 重度の全身疾患: 血糖コントロールが極めて不良な糖尿病、心疾患、免疫抑制剤の服用、頭頸部への放射線治療歴がある方は、治癒不全のリスクが高まります。内科主治医との連携が必須です。 - 骨粗鬆症の特定薬剤: ビスフォスフォネート(BP)製剤などを服用中の方は、顎骨壊死のリスクを考慮し、原則として適応外となることが多いです。 - 重度の喫煙者: 喫煙は血流を阻害し、インプラントの成功率を著しく低下させます。禁煙が治療の条件となる場合があります。 - 極端な骨量不足: オールオン4でも対応できないほど骨が痩せている場合。ただし、ザイゴマインプラントなどの特殊な方法で対応できる可能性があります。 - 18歳未満の方: 顎の骨の成長が完了していないため、適応外です。

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ザイゴマインプラント:骨量不足を補う最終手段

上顎の骨が著しく不足しており、通常のオールオン4が困難な場合でも、「ザイゴマインプラント」という選択肢があります。これは、頬骨(Zygoma)に長尺のインプラントを埋入する方法で、非常に高度な技術を要します。ザイゴマインプラントを用いることで、従来は大規模な骨移植が必要だった難症例でも、手術当日に歯を固定することが可能になります。ただし、この治療はどの歯科医院でも受けられるわけではなく、専門のトレーニングを受け、豊富な経験を持つ外科医と、CTや全身麻酔に対応できる設備が整った施設でのみ実施可能です。当院のグループは、日本初のZAGAセンターとして認定されており、ザイゴマインプラントの豊富な実績を有しています。

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治療の流れ・期間・費用の目安

オールオン4治療の一般的なプロセスと費用の目安は以下の通りです。

  • カウンセリング・精密検査: CT撮影や口腔内診査を行い、治療計画を立案します。全身疾患の確認も行います。
  • インプラント埋入手術: 静脈内鎮静法などを用いて、4本(またはそれ以上)のインプラントを埋入し、その日のうちに仮歯を装着します。
  • 治癒期間: インプラントと骨が結合するまで約3〜4ヶ月待ちます。この間、定期的に経過を観察します。
  • 最終的な歯の装着: 歯茎の状態が安定したら、精密な型採りを行い、ジルコニアやセラミックなどの高品質な材料で作製した最終的な上部構造を装着します。
  • メンテナンス: 治療後は2〜6ヶ月に一度の定期検診とクリーニングが必要です。

費用の目安: - オールオン4(片顎): 2,200,000円(税込)〜 - ザイゴマインプラント(追加): 1本あたり約440,000円(税込) ※上記はあくまで目安であり、使用する材料や治療の難易度によって変動します。治療を開始する前に、必ず総額の見積もりを確認することが重要です。

FAQ

よくある質問

Qオールオン4は誰でも受けられますか?

A

いいえ、誰でも受けられるわけではありません。顎の骨の状態や全身疾患(重度の糖尿病など)によっては適応外となる場合があります。また、18歳未満の骨が成長途中の方も対象外です。治療が可能かどうかは、歯科医師による精密な検査と診断が必要です。

Q手術は痛いですか?どのくらい腫れますか?

A

手術は静脈内鎮静法や全身麻酔を使用するため、術中に痛みを感じることはほとんどありません。術後は痛みや腫れが出ることがありますが、通常1〜2週間で落ち着きます。痛み止めや抗生剤が処方されますので、医師の指示に従って服用してください。

Q自分の歯は全く残っていなくても治療できますか?

A

はい、オールオン4は全ての歯を失った方(無歯顎)や、残っている歯がほとんど保存不可能な状態の方を対象とした治療法です。残っている歯を抜歯して、同日にインプラントを埋入することも可能です。

Q治療期間はどのくらいかかりますか?

A

手術当日に仮歯を装着し、その日から軽いお食事が可能です。その後、インプラントと骨が結合するのを待ち、約3〜4ヶ月後に最終的な上部構造(歯)を装着します。治療期間は骨の状態や治癒の進み具合によって個人差があります。

Q費用はどのくらいかかりますか?

A

オールオン4は保険適用外の自由診療です。費用は歯科医院によって異なりますが、当院のグループでは片顎2,200,000円(税込)からが目安となります。骨の量が少なく、頬骨にインプラントを埋入するザイゴマインプラントが必要な場合は、1本あたり約440,000円(税込)の追加費用がかかることがあります。

Q糖尿病や骨粗鬆症でも治療は可能ですか?

A

糖尿病の方でも、血糖値がコントロールされていれば治療可能な場合があります。内科の主治医と連携して判断します。骨粗鬆症自体は禁忌ではありませんが、ビスフォスフォネート系(BP製剤)などのお薬を服用している場合は、顎骨壊死のリスクがあるため慎重な判断が必要です。必ず主治医にご相談ください。

Qメンテナンスはどのくらいの頻度で必要ですか?

A

治療後は、インプラント周囲炎などを予防するために定期的なメンテナンスが不可欠です。通常、2〜6ヶ月に1回の頻度でご来院いただき、専門的なクリーニングや噛み合わせのチェックを行います。適切なセルフケアとプロフェッショナルケアが、インプラントを長持ちさせる鍵となります。

参考文献・出典

  • [1]Malo P, de Araújo Nobre M, Lopes A, Francischone C, Rigolizzo M. "All-on-4" immediate-function concept for completely edentulous maxillae: a clinical report on the medium (3 years) and long-term (5 years) outcomes. Clin Implant Dent Relat Res. 2005;7 Suppl 1:S88-94. doi: 10.1111/j.1708-8208.2005.tb00080.x.
  • [2]Soto-Peñaloza D, Ravidà A, Barmak AB, et al. The all-on-four treatment concept: Systematic review. J Clin Exp Dent. 2017;9(3):e476-e488. Published 2017 Mar 1. doi:10.4317/jced.53613
  • [3]Chrcanovic BR, Abreu MH. Survival and complications of zygomatic implants: a systematic review. Oral Maxillofac Surg. 2013;17(2):81-93. doi:10.1007/s10006-012-0331-z
  • [4]厚生労働省. 医療広告ガイドライン. https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10800000-Iseikyoku/0000209841.pdf (2024年アクセス)

記事監修

東海林弘子 院長

東海林弘子(しょうじ ひろこ)

ORCインプラントクリニック大磯 院長

資格・所属学会

歯科医師ICD Fellow(国際歯科学士会)厚生労働省臨床研修医指導医日本口腔インプラント学会会員国際歯周内科研究会認定医日本アンチエイジング歯科学会理事

学歴

昭和医科大学歯学部卒業

公開日:2026.02.05最終更新日:2026.03.22読了時間:8分

※本記事は医療広告ガイドラインに準拠して作成しています。治癒を保証するものではなく、治療効果には個人差があります。
詳しくはカウンセリング時にご説明いたします。

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